福岡からヨーロッパへ オートバイレースで世界一を狙う

福岡からヨーロッパへ オートバイレースで世界一を狙う

Moto3 レーサー 鳥羽海渡

2023.01.12

”夢”に挑み続ける人を応援する清涼飲料ブランド PLEIADES (プレアデス) 。この度スポンサーとなった、オートバイの世界選手権シリーズの世界で最高峰「MotoGP」に挑み続ける福岡市出身のライダー鳥羽海渡(とばかいと)さんにインタビューしました

 

Q まずこのスポーツの魅力は?

 鳥羽さん(以下敬称略):やっぱりすごく危険との隣り合わせというところですかね?笑 どのスポーツにも共通していることかもしれませんが、なんでも怪我がつきもので、でもこの二輪レースは命の危険もあるので、ファンの人たちからするとそこが刺激的でもあるんでしょう。 僕自身がリスクを負って夢に向かって戦っているので、勝った時の喜びと感動は言葉では言い表せないものですし、一人で戦っているのではなくチーム全員で戦っているので、勝った時の喜びは何にも変えられないほど大きいです。


あと技術の最高峰を集めた高性能マシンを使って、すごくお金も掛ってますしとても贅沢な舞台で戦えるのが、また魅力の部分じゃないですかね? 一番は実際にサーキットに行って現地に行って間近に見てほしいですね、スピード感とかエンジン音とか実際に生で見る迫力は全然違うと思います。

日本では最近、あまり注目がされなくなってますが、ヨーロッパではサッカーと同じくらい人気があって、サーキットには大勢の人が見に来ますよ。日本でも唯一レースがある時はとてもお客さん来てますけど。 

 

Q バイクを始めたきっかけは?

鳥羽:もともと両親がバイク乗ってて、ツーリングしたりしているのの後ろに乗るのがすごく好きで、そのうち自分も乗りたい、って5歳の頃に言い出して(笑)。 両親は、MotoGPとかバイクレースなんて全然知らなかったし、そんな子供がバイクに乗るなってダメだって言われてたんです。 でも僕が諦めなかったみたいで、調べてくれて、子供でもできるミニバイクに乗れるってことになって。 確か自転車にも乗れてなかったのに(笑)、そのバイクが楽しくてずっと乗ってました。 それ以来、気がつけばずっとバイクに跨ってきましたね!


そして9歳の時に、世界一のバイクのレースが日本で見れるってなって、実際にそこでみて衝撃を受けたんです。 僕の人生はこれだなって。 世界選手権を間近に見てそのレースで優勝した人を見たんです。目指すところが見えた感じでした。 だから、今となっては僕が日本のファンの皆さんの前で優勝とかすることで、同じように子供たちや次の人たちが間近に見ることでまたレーサーを目指してくれるかなと思うと、頑張らないとと思います。

  

Q 15歳で単身ヨーロッパへ、不安ではなかったですか?

鳥羽:それほどなかったですね。 唯一の心配事はやはり言葉でしたね、全然話せなかったですし。 言葉はヨーロッパにいても全部英語です。 たった一人で渡って、英語も全然しゃべれない…。 でもバイクが好きだったので、そういう障害もそれほど気にならなかったですね。 今では普通に英語でコミュニケーションしてます。 もちろん簡単な事ではないと思ってましたが、世界で戦うにはヨーロッパに行く以外選択肢がないので。 自分が目指しているのは世界一なので、それにたどり着くには行くしかなかった。 ずっと国内で走ってたんですがあるチャンスを掴めたので、その勢いであちらに飛び出しました。

 

  

Q ヨーロッパではどんな暮らしですか?

鳥羽:生活はずっとバイク漬けですね。 練習したりトレーニングしたり、チームのミーティングもあります。 毎日どうやったら世界一になれるか?だけを考えてますね。 もともとはバイクが好きなのでやってましたが、今はそれが仕事になったので好きなだけじゃなく結果を出さなきゃいけなくなったのでプレッシャーでもありますが、ますます日々取り組んでます。
あとは、今はスペインを拠点にしてますが、チームのみんなとご飯い行ったりオフの日も楽しく過ごしてます。 スペイン人は気楽なので、話もしやすいです。 日本には年に1回オフシーズンに1ヶ月くらい帰ってくるだけですね。

 

 

Q 2019年カタールで勝つまで、どうやって上り詰めたんですか?

鳥羽:ヨーロッパに渡って、2016年まではポンポンと順調に行けたんですけど、 2017年に世界選手権の舞台に初めて立った時に、本当に世界のレベルに圧倒されて… その17年、18年の2年間は世界の壁にあたってとても苦しんだ時期でした。 サポートがない限りできないスポーツなので、家族のサポートもそうですし、チームの皆やスポンサーの皆さまにまで期待に応えないとというプレッシャーはやっぱり凄いあります。 どれだけチームで準備してきても最後はバイクを操っているのは自分だけなので、結局は自分のパフォーマンスが結果に出ますから。 なので、どれだけプレシャーに負けないか、レース前などもどれだけ平常心でいられるかなどメンタル面でもトレーニングしてます。 戦略面でもチームで綿密に話し合いますし、でもどれだけ戦略を立てても相手もいる事なのでその時の状況もいつも違いますし、こういう場合はどう対応する、という風に準備することは山ほどあります。

 

Q 優勝した時はどんな気持ちでしたか?

鳥羽:ゴールするまでトップを走っている時も実感がなくて、ゴールした瞬間も全然実感がなくて笑 でも、気づくとアレって感じで。 その後チームの皆んなが喜んでいる顔を見て徐々に実感が湧いてきて。
表彰台から見る景色も違いましたし、ファンから頂いたお祝いのメッセージとか凄かったし、本当に大きな経験でしたね。 改めてチームや家族などサポートしてくれる皆さんに感謝です。

 

Q 200km、300kmで走るって一体どういう世界なのですか?

鳥羽:うーん、要は麻痺しているんだと思います。笑 子供の頃からずっと乗っているのもあるかも知れませんが、サーキットで走っている時は恐怖感は全然ないいんです。 逆にむしろ公道を走る方が怖いですね、全然スピード出せないです。 サーキットで走っている時はアドレナリンが出てるから?そうですね、サーキットにいる事がそもそも好きなんです。 遊んでいるよりサーキットにいる方がワクワクしますね、楽しい。

 

  

Q 今シーズンの目標を聞かせてください。

鳥羽:来シーズンは全戦で表彰台争いしていきたいと思います。 サポートしてくれているチームやスポンサーの皆さんの期待に応える意味でも是非頑張りたいです。 目指しているのは世界チャンピオン。 まずは今年成績を残して、上のMoto2、そしてMotoGPへと上がっていきたいです。
その為の準備も進めています。 特にメンタル面、レースに近い状態を練習なりで作る事で勝負強さみたいなものを鍛えています。 ただ単にグルグルレース上走っているだけじゃなく、どうやったら速くなるか?勝てるようになるか?を考えて、様々なトレーニングをやってますね。 砂浜でコーンを置いて走るトレーニングがあるんですが、他にもジムでも徹底的にフィジカルを鍛えています。

 

今シーズンは、2023年10月1日(日)に栃木のもてぎサーキットでJAPAN GPが開催予定です。 是非、皆さん僕の走りを観に来てもらえれば!

  

Q 最後に生まれ故郷、九州、福岡にむけて一言お願いします

鳥羽:今回、PLEIADES. さんにスポンサーについてもらって、僕の故郷である福岡の企業が応援してくれるのでとても嬉しく思います。15歳から海外に出てしまったので、福岡や日本で僕のことをまだ多くの人が知ってもらえてないし、これからもっともっとそういった人たちにも活躍を届けられたら良いなと思います。
あと、モータースポーツもそうですが、日本がどんどん元気が無くなってきてて…、僕も将来は福岡や九州が元気になれるように貢献したいなという気持ちもあります。 九州は日本でも独特で異国感があると思うので、東京や大阪もいいけど九州にも、もっと外国人旅行客の皆さんにも来てもらいたいですね。
僕の場合はスポーツを通じてかもしれませんが、九州や福岡をもっと世界に知ってもらいたいですね。

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いかがだっただろうか。
小さなころに出会ったオートバイの世界から目を逸らすことなく走り続ける鳥羽さん。多くの困難を乗り越え夢をまっすぐ見据える姿は、きっと多くの人の心を惹きつけ続けるに違いない。

またたく希望に、エールをおくろう。